地域の管理栄養士とつながってみよう
食と栄養の専門職である管理栄養士と連携しよう
在宅療養者には、病院や施設で出される「給食」のような、栄養バランスの整った継続的に提供される食事がありません。また家族が食事を用意する場合も、病気や障害によって配慮が必要なケースは少なくありません。
そんなときに、自宅のキッチンで無理なく簡単にできる調理方法や病態に合った食事療法を、アドバイスするのが管理栄養士です。
地域にいる管理栄養士と連携するためには、まずどこにいるのか知る必要があります。
<管理栄養士がいる施設>
- 入院設備がある病院
- 介護保険施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設 等)
- 各都道府県の栄養ケア・ステーション
- 管理栄養士を雇用している診療所
- 自治体の健康保健センター
たとえば患者が退院する際には、入院中の栄養管理の経過をまとめた「栄養情報提供書(栄養サマリー)」を依頼することで、病院管理栄養士が求めた推定必要栄養量や入院中に提供されていた食物形態、入院中の体重の変化なども知ることができます。
介護保険施設等のデイサービスやショートステイを利用する際にも、施設管理栄養士に栄養評価や在宅での食事の注意点などを相談することが可能です。
管理栄養士ができること
病院や施設では栄養管理された食事が提供されるので、管理栄養士が何をする専門職なのか意外と知られていません。
管理栄養士は、まず個々の年齢や体格、活動量や現在の食事摂取量をアセスメントし、対象者に合わせた推定必要栄養量を求めます。
次に、必要な栄養量を満たすために、さまざまな食材や調理法を用いて、具体的な「食事」に落とし込みます。必要なエネルギー量やたんぱく質量は「計算式」に当てはめれば誰でも計算することはできます。
しかし、たとえば褥瘡があり「タンパク質の摂取量を10g増やしたい」となったときに、卵で増やすのか、牛乳で増やすのか、あるいは魚や肉で増やすのか、それらの食品をどんな調理法で何g食べればいいのか、そういった提案をすることを管理栄養士は得意とします。
信頼できる管理栄養士の仲間を作ろう
在宅療養者が食や栄養の問題に直面したとき、皆さんはいろいろな方法で解決策を調べたり、誰かに意見を聞いたりすることと思います。
そんなとき、頼りになる管理栄養士の仲間がいると気軽に相談できるのではないでしょうか。近年はインターネットなどで栄養についてさまざまな情報を得ることができますが、その内容は玉石混交であり、中には間違っているものもあります。
たとえば「腎臓病でカリウムの制限がある方から、大好きな果物を食べたいと言われたけどどうしよう」といった悩みがあったとき、身近な管理栄養士に相談してみると、比較的カリウムの少ない果物について教えてもらえるかもしれません。
さらに在宅訪問栄養指導につなげることができれば、食事全体のカリウムの摂取量を確認して、いろいろな果物を食べることができるかもしれません。
「在宅看護指導士」は、在宅看護・訪問看護の視点に特化した知識とスキルを学び、人・組織・地域を育てる専門資格です。
訪問看護師であれば知っておきたい、緊急性の見極め方から家族支援、訪問看護事業の運営、リスク管理などを包括的に学習します。
訪問看護に魅せられている方、訪問看護に飛び込んでみたい方、管理を任されている方に、おすすめです。