独居の利用者さんの食環境を整えて栄養状態を改善しよう - 一般社団法人全国在宅医療マネジメント協会

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独居の利用者さんの食環境を整えて栄養状態を改善しよう

在宅看護指導士

独居の男性でもできる料理の工夫

近年では、家庭の中での役割が男女で分担され、男性でも料理ができる人が増えています。ですが高齢者の世代では「料理は女がするもの」という価値観が色濃く残っています。

しかし男性が料理をしなければならない事態は突然訪れます。妻が要介護状態になった場合や、突然の病で他界してしまった場合に、これまでキッチンに立ったことのない男性の食生活は途端に乱れてしまいます。

そんな独居の男性でもできる料理には、カット野菜や冷凍野菜を使った料理、缶詰やレトルト食品の応用などがあります。特にカット野菜は大変便利で、包丁やまな板を使わずに料理ができます。また工夫をすれば、市販品を嚥下調整食に加工することも可能です。

 配食弁当を食べるときの注意点

配食弁当を毎日届けてもらっている方も多いと思いますが、お弁当を食べるときに注意していただきたいことがあります。

まず、お茶や汁物などをつけて、しっかりと水分を摂るのを忘れないことです。お弁当では料理由来の水分量が少なくなりがちです。細菌繁殖を防ぐ目的で、おかずの水気は極力減らされています。ほうれん草のおひたしや煮物もつゆを一緒に盛り付けることはしません。したがって、お弁当では料理由来の水分が少ないのです。

また、一度茹でた野菜などを使っていることが多く、ビタミン類の流出も気になります。みかんやイチゴ、バナナなどの果物を添えることでビタミンや食物繊維を補いましょう。

栄養状態の変化に気をつけて

独居の方の場合、同居人から食事量の変化といった情報を得ることができないため、体重が減っていても気づけないことがあります。

最近のデイサービスや通いのリハビリ施設では定期的な体重測定を行っているところが増えてきましたが、そういったサービスを使用していない場合、「もう何年も体重を測っていない。家に体重計もない」というお宅もあります。そうすると、知らず知らずのうちに体重が減少している場合があります。ある日誤嚥性肺炎を発症して入院したところ、実は認知機能の低下によってほとんど食べていないとわかった…といったこともあります。

「体重は栄養状態のバイタルサイン」ともいわれます。支援にあたる人が、利用者の栄養状態をこまめにチェックすることが大切です。

 


 

「在宅介護指導士」は、介護専門職のキャリアアップとなる専門資格です。

疾患・障害を“生活”で捉える視点を育てるカリキュラムで、医療と介護の架け橋となれるプロフェッショナルを目指します。

 

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