合格者にインタビュー!vol.03 | 全国在宅医療マネジメント協会

一般社団法人全国在宅医療マネジメント協会

お知らせ

合格者にインタビュー!vol.03

在宅看護指導士

全国で活躍されている在宅看護指導士をご紹介いたします。

今回は、ふみぞの訪問看護ステーションにて、課長として勤務されている多田 麻岐さんにお話をお伺いしました。多田さんは訪問看護の仕事はもちろん報告書や勤務表の作成、スタッフの相談事対応などマルチに活躍されています。

 

 

家庭と両立しながら忙しい日々を送っている多田さん。北海道という土地柄はどのような特徴があるのか。東京在住のご経験から客観的に見た違いを教えていただきました。

 

ふみぞの看護ステーションは、釧路市最大規模の訪問看護事業、放課後等デイサービス事業を営むC’z-crew(シーズクルー)グループの1つです。

大学病院勤務から訪問看護の世界へ

-多田さんが訪問看護師をはじめたきっかけは何ですか
もともとは、東京の大学病院に勤務していましたが、北海道に引越しをすることになりました。引越し先でも看護師として、子育てをしながら正職員で働くことを考えた時に、訪問看護が働きやすい環境だと感じ働きはじめたのがきっかけです。

-今のステーションはどのようなメンバーで構成されていますか
看護師は常勤14名・パート12名、事務員は2名が在籍しています。
年齢層は20・30代が多く、40代5人、50代1人、60代2人です。

家庭と両立しながら働いている方が多く、お子さんが小さい方、扶養の範囲内で働きたい方などさまざまなライフスタイルに合わせて勤務されている方がいます。

-ステーションの強みを教えてください
基本的には「断らない」という点が強みですね。24時間対応、緊急時対応をしていますのでその部分を評価して利用してくださる方も多いです。また、幅広い分野を経験している看護師が多いのであらゆる場面で活躍できるのも強みですね。

 

ほとんどの診療科看護経験者が揃うふみぞの看護ステーション。利用者さんの希望に沿ったサービスの提供に努めている。

雪と戦う!寒冷地の訪問看護ステーションとは

-北海道の冬は厳しい寒さが印象的ですが、お仕事に関してはいかがでしょうか。

住みはじめて間もない頃は、車の運転に苦戦しました。ブレーキを踏んだら車がスリップしてしまったり、曲がりたいところで曲がれなかったり。冬はスピードが出せず夏と比べて移動時間は多くなるので、スタッフには、早めに出発していいよと声掛けをして、余裕を持って運転できるようにしています。また、除雪ができない利用者さんのお宅にはスコップを持参し、駐車場や入口の除雪を行っています。

-釧路という土地柄について教えてください
若い人は札幌や本州へ出ていくことが多いので、高齢化が進んでいます。利用者さんの家族が遠方に住んでいるケースも多いので、頻繁に連絡を取ることが多いです。なかなか会えないからこそ逼迫した状況でも伝わらず、課題点は多くあります。

-そのようなケースが多いと、よりケアマネジャーさんとの連絡が密に行われているのではないでしょうか。
そうですね。家族が離れてしまっているからこそカバーしなくてはならないことが多く、ケアマネジャーさんの中には仕事の域を超えているとおっしゃる方もいます。

 

世界三大夕日の1つである釧路市は市内のあらゆるところで素晴らしい夕日を見ることができる。

信頼の積み重ねが営業無しの顧客獲得へ

-営業活動はどのように行われていますか
ありがたいことに営業活動は行わず新規の利用者さんを獲得できています。ケアマネジャーさんと連絡する回数が多いこと、日頃の対応から居宅に信頼をいただき評価してもらえていることなどから、依頼を多くいただいている状況です。

-現在の課題はありますか
スタッフの教育体制についてです。訪問看護は、看護師のキャリアを積んでくる方が多いのですが、病院ほど教育体制が整っていないのが課題です。

-法定研修などの勉強会はどのように行われていますか
義務である規定回数を守り必ず行っています。月に一度の定例会議では、年間の係を割り振り互いにスタッフが協力しながら行っています。

-スタッフ間の連絡手段を教えてください
主にチームの情報管理ができるツールとチャットアプリを使っています。
利用者さんの情報は、機密性が高い情報管理ツールで共有しています。1人の患者さんに対して複数人の看護師が訪問するので欠かせません。訪問診療を担当していただいている先生とはMCS(医療介護連携に特化したコミュニケーションツール)を使って指示受けや情報交換をしています。

チャットアプリは、利用者さんに関わる情報以外のやりとりをしています。例えば、報告書を届けて帰るので遅くなるなどの報告を行っています。
FAXは、主にケアマネジャーさんに連絡したりするのに使っています。

さいごに

-これから在宅看護指導士を目指すみなさんにメッセージはありますか
社会人になると、個人ではなかなか目標を持って何かに向かう機会は少なくなると思います。今回、認定試験を通して合格という一つの目標に向かって道筋ができたのは良いことだと思います。また私の看護師歴は長いですが、学習を通して新たな知識を身につけることもできました。訪問看護師はすでにキャリアを積んでいる方が多いのですが、学び直しの機会としてブラッシュアップが出来たのも良かったと思います。

メッセージ性のあるお言葉をありがとうございます。
訪問看護のお仕事は決して楽な仕事ではないので、一つの目標があるとモチベーション維持につながると思います。
本日はありがとうございました。

 


 

「在宅看護指導士」は、在宅看護・訪問看護の視点に特化した知識とスキルを学び、人・組織・地域を育てる専門資格です。

訪問看護師であれば知っておきたい、緊急性の見極め方から家族支援、訪問看護事業の運営、リスク管理などを包括的に学習します。

訪問看護に魅せられている方、訪問看護に飛び込んでみたい方、管理を任されている方に、おすすめです。

 

お知らせ一覧に戻る