急変時の報告は「I-SBARC」でスムーズに! - 一般社団法人全国在宅医療マネジメント協会

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急変時の報告は「I-SBARC」でスムーズに!

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 報告や共有をするのは医師だけじゃない

「何か変」と漠然とした変化を感じた時に、いつ・誰に・何を報告すればよいか判断に悩むことはないでしょうか。

情報伝達は利用者の安全・安楽を提供するうえで欠かせない、重要なスキルと言えます。

「何のために報告しているのか?」それを明確にしておくこと、そして口頭で報告する場合は、できるだけシンプルで効果的に報告することが重要です。

そこで今回、I-SBARCについて紹介します。

 SBAR、I-SBARCとは?

SBARは緊急時に簡潔にもれなく報告を行うためのツールです。

このツールを活用することで、利用者の状況や背景、問題点など情報を整理しやすくなります。
そして、分かりやすく相手に状況を伝えることで、誤解やミスを防ぐことができます。

近年では、「報告者、対象者の同定」を意味するIdentifyと、「口頭指示の復唱確認」を意味するConfirmが加えられ、「I-SBARC」に発展しています。

I: Identify(報告者、対象者の同定)

報告している人(あなた)の所属と氏名、利用者の氏名を伝えます。

→「〇〇ステーションの看護師〇です」、「〇町の〇さんが…」

S:Situation(状況、状態)…利用者に何が起きているか?

利用者の状態を伝えます。緊急性のある状況を簡潔に説明します。

→「〇さんが〇〇の状態でコールしました」、「突然、胸痛を訴えだしました」「ショックを呈しています」

B:Background(背景、経過)…利用者の臨床的な背景・状況は何か?

利用者の経過や、訴え、バイタルサイン、問題に関する身体所見などを要領よく、手短に報告します。例えば、緊急性が発生した背景や関連する情報を提供し、過去の病歴や治療歴、現在の状況などを要約して伝えます。

→「昨夜より熱があったようです。今、介入中でバイタルサインは…」「いつもより活気はなく、水分摂取もできていません」

また、夜間休日など、担当以外の医師へ報告する場合は、以下のような情報も伝えます。

→「慢性腎不全で人工透析を行っている利用者です」など

A:Assessment(評価)…私が考えたことは何か?

緊急性の原因や影響を評価します。背景から報告者(あなた)が何を考えているか、どんなリスクがあると思うのか、どの点が問題だと思うのかをはっきり伝えましょう。あくまでも自分の考えであるため、診断ではありません。状態の悪化や急変している場合は、その重大性を伝えることが必要です。

「〇〇が起こる可能性があると思います」「原因はよく分かりませんが、状態が徐々に悪くなっています」

R:Recommendation(依頼、要請)…問題に対する私の提案はこれ!

状況・背景・評価から、相手にして欲しい行動をはっきりと伝えましょう。また、報告者(あなた)が利用者に必要だと思うことを伝えることもあります。

→「すぐに(早めに)診察をお願いできませんか?」「〇〇を行ったほうが良いと思います(事前指示などあれば)」「医師へ報告してみます」

経過観察であれば次にどのタイミングで報告が必要かなども提案します。

→「夕方に評価して再度報告しましょうか?」

C: Confirm(復唱確認)…復唱して承諾

急変時や緊急時は、コミュニケーションエラーが生じやすい状態です。

最後は、口頭指示に対して「分かりました」だけではなく、報告した相手から指示や提案を受けた場合には、必ずその指示を復唱しましょう。

相手に確認してもらうことで、間違いなく指示を実行できるようにします。

→「分かりました。〇〇を〇〇mg投与ですね」「輸液速度は〇〇ですね」「〇〇時に再度報告します」

これって報告すべき…?報告しやすい環境を整えよう!

オーバートリアージを恐れないことが重要です。

異変を感じたら、看護師は医師や先輩看護師に報告することをためらわず、患者の生命を最優先に考えます。
報告しやすい環境を整え、躊躇せずにアセスメントし、相談しましょう。

急変対応はチーム医療であり、お互いの意見を尊重し、信頼関係を築くことが不可欠です。

 


 

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